NBA屈指の3ポイントシューターであるステファンカリーは、シーズン最多スリーポイント成功数の記録を持っています。
オールスターゲームではファン投票でトップ争いを毎年繰り広げるほど実力と共にその人気もうなぎのぼりで、日本でもツイッターなどのSNSでカリーの写真を使用しているファンをよく見かけます。
入りだしたら止まらないそのスリーポイントはまさに脅威で、相手にとってのダメージはとてつもなく大きく、その美しいシュートフォームとは裏腹にえげつないほど入る3ポイントは気付けば驚くほど点差がついていたり、追い上げていたりといったことが多々あります。
一瞬でも隙があれば迷わずシュートを打ってくるので、ディフェンスも全く気を抜けずそのバスケットセンスは当然スリーポイントシュートだけにとどまらず、執拗につめられれば巧みなボール捌きからドライブし相手をかわすシュートやアシストもとても上手な選手です。
カリーのキャリアやプレイスタイルについて、動画を中心に見ていきましょう。
強豪チームからチャンピオンチームへ
2014年のプレイオフでは、クリッパーズのクリスポールとのマッチアップで熾烈なポイントガードの戦いを繰り広げていました。
第5戦の残り数秒のシーンでは、ウォリアーズボールで残り時間は8秒ほどの時にスクリーンとドリブルテクニックでスリーポイントを狙うカリーに、クリスポールがものすごい形相で相手スクリーンを掻き分けて一瞬もスリーポイントを打たす隙を与えなかったプレイは見ていてとても興奮するものでした。
当時NBAのNo1ガードとも言われたクリスポールが、それだけのディフェンスをしないといけない相手というのはNBAといえど数えるほどしかいないでしょう。
クリスポールでなくてもアリーナの観客やテレビを見ている誰もがその状況ならカリーがスリーポイントを打てば入れると思っていたことが、考えれば考えるほど凄いことです。
正直、日本のプレイヤーからするとめちゃくちゃなシュートと思えるものもありますが、シュートを決めた時のネットの弾みが美しく、スプラッシュブラザーズと呼ばれる相棒のトンプソンや、プレイオフへ進出するほどの実力者の揃うチームメイト、名シューターだったスティーブカーHCが何も言わないのですから、チームとして認められているプレイなのでしょう。
2014-15シーズンをウェスタンカンファレンス首位で駆け抜けたウォリアーズは、アウトサイドシュートを主体としたチームバスケットで見事にチャンピオンリングを獲得しています。
フィールドゴール確率、3ポイント確率共に上昇していますが、チームのバスケットがさらに完成度を増し、とんでもない爆発力と安定性を兼ね備えた印象がとても強かったです。
カリー自身もシーズンMVPを獲得し一気にNBAのスーパースター入りを果たしました。
外は水物とバスケットの世界ではよく耳にしますが、そんな言葉を超越したアテンプトと成功確率で、ここまで勝敗を左右する3ポイントシューターは長いNBAの歴史の中でもずば抜けているように感じます。
ウォリアーズのスリーポイントを中心としたバスケットボールは、NBAだけでなく世界中のバスケットを変えてしまうほどのインパクトでした。
王者ウォリアーズ
2015-16シーズンに入ってもその勢いは衰えるどころかさらに加速し、開幕から24連勝というNBA記録も樹立しました。
カリー自身も平均得点30点を超える活躍を見せ2年連続のシーズンMVPに選ばれています。
また、MVPを満票で獲得したのは史上初の快挙で、どれだけ王者ウォリアーズの中でカリーが躍動していたかよくわかるシーズンと言えます。
シカゴブルズの持つレギュラーシーズン記録である72-10を超えて73勝をウォリアーズはあげました。
2年連続でファイナルまで進出したウォリアーズは前年度同様にキャブスとの対戦となりました。
3勝1敗とシリーズを有利に進めたウォリアーズでしたが、そこからまさかの3連敗を喫し連覇の夢は途絶えました。
カイリ―アービングとレブロンジェームズの活躍は目覚ましく、シーズンの好評価とは裏腹にカリーへの批判も耳にするほどでした。
王者奪還
2016-17シーズンも変わらずウォリアーズでプレイしたステファンカリー。
クレイトンプソンやグリーンなども残りつつ、サンダーからケビンデュラントを獲得してのシーズンスタートをなりました。
序盤こそ、誰がシュートを打つのか?というような贅沢な悩みでチームは勝率を上げられませんでしたが、徐々にチームのプレイが見えてくるとその勢いは前年を凌ぐものとなり結果的にウェスト首位でプレイオフへと進みます。
プレイオフに入ってもその勢いはとどまることを知らず、カンファレンスファイナルまで全てスイープの12連勝でファイナルへと駒を進めました。
ファイナルの相手は3年連続でキャブスとなり、リベンジの舞台は整いました。
ファイナルでもさらに躍動したカリーはチームをチャンピオンへと導く活躍をみせ、昨年の批判を見事に払拭してくれました。
連覇
シーズン途中からケガに悩まされたカリーはプレイオフもカンファレンスセミファイナルからの出場となります。
それでも、復帰後数秒でスリーポイントを決めるなどそのプレイは変わらず冴え渡っていました。
カンファレンスファイナルでは、ウェスト首位を明け渡したロケッツとの対戦となります。
Game5を終え2-3と追い込まれますが、その後連勝し4年連続となるファイナル進出を決めました。
カリーとクリスポールのポイントガード対決は世界中から注目が集まりました。
ファイナルでは4年連続でキャブスとの対戦となりますが、スイープで一気に勝負を決め連覇を成し遂げています。
ファイナルMVPでもいいような活躍ぶりでしたが、Game3でクラッチシュートを沈めたケビンデュラントが2年連続で獲得しています。
ウォリアーズ王朝の崩壊
2018-19シーズンを前にウォリアーズは、デマーカスカズンズの獲得に成功しました。
今考えても恐ろしいスターターです。
結果的にカズンズは、怪我に苦しみましたがウォリアーズは2018-19シーズンも首位でプレイオフへ進出しました。
カリー自身もキャリア2番目となる、平均27.3得点を記録しました。
プレイオフでは、ファーストラウンドでクリッパーズを敗ると、カンファレンスセミファイナルでは宿敵ロケッツと対戦しました。
2勝2敗で迎えた第5戦で、ケビンデュラントが負傷退場しますがウォリアーズは勝ち切り、第6戦も勝利しカンファレンスファイナル進出を決めました。
カンファレンスファイナルでは、ケビンデュラントを欠きながらもブレイザーズをスイープし5年連続となるファイナル進出を決めます。
ファイナルでは、初めてキャブス以外のチームと対戦することになりました。
ウォリアーズは過去にない程怪我との戦いとなり、主要メンバーでコンディション的に通常と言えたのはカリーとグリーンくらいだったかもしれません。
カリーは得点を続けましたが、第5戦でケビンデュラントがアキレス腱を断裂し、第6戦ではクレイトンプソンが左膝前十字靭帯断裂という大怪我にみまわれたウォリアーズ。
ファイナルをまともに戦える状況ではなく、2-4でラプターズに敗れました。
シーズン終了後には、ケビンデュラントがネッツへ移籍しディアンジェロラッセルがチームに加入しました。
左手骨折
2019-20シーズンは、トンプソンも全休が予想されていましたが、カリーにも悲劇が起こりました。
開幕4戦目で、試合中に左手を骨折し長期離脱を余儀なくされました。
約4カ月のリハビリ期間を経て、3月5日のラプターズ戦で復帰を果たしました。
新生ウォリアーズ
2020-21シーズンを前に、カリーは順調に仕上げていましたが、クレイトンプソンが練習中にアキレス腱を断裂する大怪我にみまわれ、再びシーズンを全休することになりました。
ドラフトでインサイドプレイヤーのジェームズワイズマンを獲得していたウォリアーズは、トンプソンのポジションを補強すべく、昨シーズンまでサンズでプレイしたケリーウーブレJrを獲得しました。
カリー、ウィギンス、ウーブレ、ワイズマンに加えて、ドレイモンドグリーンが出場するようになってからは勝率は上昇しました。
1月24日におこなわれたジャズ戦で、カリーは通算スリーポイント成功数が2,562本に到達し、レジ―ミラーを抜いて歴代2位に浮上しました。
カリーは、MVPシーズンをしのぐ勢いで、スリーポイントを沈めました。
3月におこなわれたオールスターでは、自身2度目となるスリーポイントコンテストのチャンピオンに輝き、本戦でもMVP級の活躍を見せました。
チームはレギュラーシーズン8位でプレイイントーナメントへ進みましたが、レイカーズとグリズリーズに連敗し、プレイオフ進出を逃しました。
再びチャンピオンへ
2021-22シーズンを前に、アンドリューウィギンスやオットポーターJr、アンドレイグダラなど補強をおこなったウォリアーズ。
序盤から勝ち星を重ね、ウェスト上位をキープし続けました。
カリー自身も歴代スリーポイント成功数でレイアレンの記録を抜き、名実と共に史上最高のシューターとなりました。
オールスターゲームでは、16本のスリーポイントを沈め50得点を記録し、自身初となるMVPに輝きました。
シーズン3位でプレイオフに進出したウォリアーズは、ナゲッツ、グリズリーズ、マブス相手に第7戦までもつれることなく、ファイナルへと駒を進めました。
カリー自身も爆発的なゲームというよりも、とにかく安定した活躍でチームを勝利に導きました。
ファイナルでセルティックスと対戦したウォリアーズ。
カリーのスイッチが完全に入り、第5戦以外は全て5本以上のスリーポイントを沈めました。(第5戦は0/9)
セルティックスに4-2で勝利したウォリアーズは、再びチャンピオンに返り咲き、カリーは自身初となるファイナルMVPを獲得しました。
ステファンカリーのバッシュ
ステファンカリーはアンダーアーマーとスポンサー契約を結んでおり、アンダーアーマーからカリーシリーズを発売しています。
これまで日本では馴染みのなかったアンダーアーマーのバッシュですが、カリーのおかげでよく見かけるようになりました。
黄色や青色を使ったウォリアーズカラーがやはり人気があります。
キャリアスタッツ
レギュラーシーズン
シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
09-10 | 21 | GSW | 80 | 36.2 | 17.5 | 4.5 | 5.9 | 46.2 | 43.7 | 88.5 | 1.9 | 0.2 | 3.0 |
10-11 | 22 | GSW | 74 | 33.6 | 18.6 | 3.9 | 5.8 | 48.0 | 44.2 | 93.4 | 1.5 | 0.3 | 3.1 |
11-12 | 23 | GSW | 26 | 28.2 | 14.7 | 3.4 | 5.3 | 49.0 | 45.5 | 80.9 | 1.5 | 0.3 | 2.4 |
12-13 | 24 | GSW | 78 | 38.2 | 22.9 | 4.0 | 6.7 | 45.1 | 45.3 | 90.0 | 1.6 | 0.2 | 2.5 |
13-14 | 25 | GSW | 78 | 36.5 | 24.0 | 4.3 | 8.5 | 47.1 | 42.4 | 88.5 | 1.6 | 0.2 | 2.5 |
14-15 | 26 | GSW | 80 | 32.7 | 23.8 | 4.3 | 7.7 | 48.7 | 44.3 | 91.4 | 2.0 | 0.2 | 2.0 |
15-16 | 27 | GSW | 79 | 34.2 | 30.1 | 5.4 | 6.7 | 50.4 | 45.4 | 90.8 | 2.1 | 0.2 | 2.0 |
16-17 | 28 | GSW | 79 | 33.4 | 25.3 | 4.5 | 6.6 | 46.8 | 41.1 | 89.8 | 1.8 | 0.2 | 2.3 |
17-18 | 29 | GSW | 51 | 32.0 | 26.4 | 5.1 | 6.1 | 49.5 | 42.3 | 92.1 | 1.6 | 0.2 | 2.2 |
18-19 | 30 | GSW | 69 | 33.8 | 27.3 | 5.3 | 5.2 | 47.2 | 43.7 | 91.6 | 1.3 | 0.4 | 2.4 |
19-20 | 31 | GSW | 5 | 27.8 | 20.8 | 5.2 | 6.6 | 40.2 | 24.5 | 100.0 | 1.0 | 0.4 | 2.2 |
20-21 | 32 | GSW | 63 | 34.2 | 32.0 | 5.5 | 5.8 | 48.2 | 42.1 | 91.6 | 1.2 | 0.1 | 3.4 |
21-22 | 33 | GSW | 64 | 34.5 | 25.5 | 5.2 | 6.3 | 43.7 | 38.0 | 92.3 | 1.3 | 0.4 | 3.2 |
プレイオフ
シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
12-13 | 24 | GSW | 12 | 41.4 | 23.4 | 3.8 | 8.1 | 43.4 | 39.6 | 92.1 | 1.7 | 0.2 | 3.3 |
13-14 | 25 | GSW | 7 | 42.3 | 23.0 | 3.6 | 8.4 | 44.0 | 38.6 | 88.1 | 1.7 | 0.1 | 3.7 |
14-15 | 26 | GSW | 21 | 39.3 | 28.3 | 5.0 | 6.4 | 45.6 | 42.2 | 83.5 | 1.8 | 0.1 | 3.9 |
15-16 | 27 | GSW | 18 | 34.1 | 25.1 | 5.5 | 5.2 | 43.8 | 40.4 | 91.6 | 1.4 | 0.3 | 4.2 |
16-17 | 28 | GSW | 17 | 35.4 | 28.1 | 6.2 | 6.7 | 48.4 | 41.9 | 90.4 | 2.0 | 0.2 | 3.4 |
17-18 | 29 | GSW | 15 | 37.0 | 25.5 | 6.1 | 5.4 | 45.1 | 39.5 | 95.7 | 1.7 | 0.7 | 2.9 |
18-19 | 30 | GSW | 22 | 38.5 | 28.2 | 6.0 | 5.7 | 44.1 | 37.7 | 94.3 | 1.1 | 0.2 | 3.0 |
21-22 | 33 | GSW | 22 | 34.7 | 27.4 | 5.2 | 5.9 | 45.9 | 39.7 | 82.9 | 1.3 | 0.4 | 2.6 |
年齢 | 34歳 |
身長 | 188cm |
体重 | 84kg |
国籍 | アメリカ |
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