オクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)は、NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)に所属するプロバスケットボールチームです。
現在はウェスタン・カンファレンスのノースウェスト・ディビジョンに所属しており、本拠地はオクラホマ州オクラホマシティのペイコム・センターです。
チームの歴史は2008年に始まりますが、その前身は1967年に創設されたシアトル・スーパーソニックス(Seattle SuperSonics)です。
ここでは、ソニックス時代から現在のサンダーまでを時系列で振り返りながら、主な所属選手についてもご紹介します。
シアトル・スーパーソニックス時代(1967年~2008年)
1967-68シーズン、シアトル・スーパーソニックスはNBAに新規参入したチームの一つとして誕生しました。
初年度は20勝62敗と苦戦しましたが、徐々に力をつけていきました。
ソニックスの黄金時代は1970年代後半から1980年代です。
1978-79シーズンには、名将レニー・ウィルケンズが選手兼監督を務め、ジャック・シクマ、デニス・ジョンソン、ガス・ウィリアムズらを擁してNBAファイナルに進出し、ワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)を4勝1敗で破って球団史上初の優勝を果たしました。
1990年代に入ると、ゲイリー・ペイトン(通称「ザ・グローブ」)とショーン・ケンプのコンビがチームの顔となります。
ペイトンは歴代屈指のディフェンダーで、1996年にはディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
1995-96シーズンには64勝18敗の驚異的な成績を残し、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズとファイナルで対戦しましたが、2勝4敗で惜敗しました。
2000年代に入ると、レイ・アレンが加入し、ペイトンとのバックコートは脅威となりました。
しかし2007-08シーズン、ケビン・デュラントが全体2位でドラフト指名されると、チームは大きな転機を迎えます。
同年、経営陣がシアトルからオクラホマシティへの本拠地移転を決定。
2008-09シーズンからチーム名を「オクラホマシティ・サンダー」に改称し、新たな歴史が始まりました。
オクラホマシティ・サンダー時代(2008年~現在)
移転初年度の2008-09シーズンは23勝59敗と低迷しましたが、若手中心のチームは急速に成長しました。
2009年にラッセル・ウェストブルック(全体4位)、2010年にジェームズ・ハーデン(全体3位)、2011年にサージ・イバカ(全体24位)を獲得し、デュラントを中心に「ビッグ4」が形成されます。
2011-12シーズンには、ロックアウトで短縮されたシーズンながら47勝19敗でウェスタン2位となり、ファイナル進出。
レブロン・ジェームズ率いるマイアミ・ヒートと対戦しましたが、1勝4敗で敗れました。
この頃のサンダーは「ヤングガンズ」と呼ばれ、リーグで最もエキサイティングなチームの一つでした。
2012-13シーズンもウェスタン1位の60勝22敗を記録しましたが、ハーデンがトレードでヒューストン・ロケッツへ移籍。
2016年にはデュラントがフリーエージェントでゴールデンステート・ウォリアーズに移籍し、チームは再建期に入ります。
しかし2017年にポール・ジョージ、2019年にシェイ・ギルジャス=アレクサンダー(SGA)を獲得し、再び強豪へと返り咲きました。
特に2023-24シーズン以降のサンダーは、SGAを中心にチェット・ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズら若手が躍動し、2024-25シーズンには46年ぶりにチャンピオンに輝きました。
SGAはこのとしファイナルMVPをはじめとして、カンファレンスファイナルMVP、シーズンMVP、ファーストチーム、得点王と個人タイトルを総なめにし、2Kの表紙にも選ばれました。
主な歴代所属選手
ソニックス時代
- レニー・ウィルケンズ(選手兼監督、1979年優勝の立役者)
- ジャック・シクマ(1979年ファイナルMVP)
- デニス・ジョンソン(3回のオールディフェンシブ1stチーム)
- ゲイリー・ペイトン(9回のオールスター、殿堂入り)
- ショーン・ケンプ(6回のオールスター)
- レイ・アレン(10回のオールスター、後にセルティックスで優勝)
サンダー時代
- ケビン・デュラント(2007-2016在籍、2013-14MVP、4回の得点王)
- ラッセル・ウェストブルック(2008-2019在籍、2016-17MVP、歴代トリプルダブル記録保持者)
- ジェームズ・ハーデン(2009-2012在籍、後に3回の得点王・MVP)
- サージ・イバカ(2009-2016在籍、3回のブロック王)
- ポール・ジョージ(2017-2019在籍、2回のオールスター)
- カーメロ・アンソニー(2017-2018在籍、短期間ながら話題に)
- シェイ・ギルジャス=アレクサンダー(2019-、2025-26現在チームのエース)
- チェット・ホルムグレン(2022-、2022年ドラフト2位、新世代のセンター)
最後に
2025年12月現在、サンダーはシェイ・ギルジャス=アレクサンダーを中心に、ホルムグレン、ウィリアムズ、アイザイア・ハーテンスタインらを擁し、ウェスタン・カンファレンスのトップをひた走っています。
若手が豊富でドラフト資産も多く、今後数年間はさらに優勝を狙えるチームとして注目されています。
かつてシアトルで始まった歴史は、オクラホマシティで新たな形で続き、小市場ながら熱狂的なファンの支持を受け、サンダーはNBAの中でも独自の存在感を放ち続けています。






















コメント