アンドリューバイナム:怪我に悩まされ続けたモンスターセンター

 

当時歴代最年少の若さでNBAのコートにたったアンドリューバイナムは、高校卒業と同時にロサンゼルスレイカーズにドラフト10位指名されNBA入りを果たした選手です。

体格とプレイスタイル

213cm、130kgというその恵まれた体格に加えて、身体能力も高く、ポストプレイのステップワークや、ベビーフック気味で放つペイントエリア内のシュートも得意としていました。

レイカーズのレジェンドプレイヤーである、カリームアブドルジャバーの指導によりそのプレイはより洗練されたものとなり、2・3シーズン目には充分にNBAの中で華々しい活躍を見せるほどになっていました。

 

 

上の動画だけ見ると正直止められようがないんじゃないかと思うほどで、シュートレンジこそ広くないものの、パワー・スピード・テクニックを兼ね備えたポストプレイはまさに教科書とも言える程です。

試合中の大怪我と復帰

しかし、今後のNBAインサイドの中心プレイヤーになりうると思った矢先の3シーズン目の途中で、バイナムは膝の靭帯を断裂しゲームから離れました。

そして長い休養とリハビリ後に復帰した翌年に、逆足の膝の靭帯も断裂してしまいます。

はじめの怪我に比べて2度目は軽度だったため復帰は早かったものの、さすがに以前のプレイとは違い、2008-09シーズンにチームはファイナルへ出場しチャンピオンリングを獲得しましたが、そこにバイナム本来の姿はありませんでした。

それでも持ち前のポストプレイは翌シーズンからも健在で、安定したスタッツを残してはいましたが、本来のプレイとは違った部分で悪い印象が出始め、レイカーズをトレードで出された後は泥沼のような状況に陥っていきます。

個人スタッツで見ると、レイカーズ最後の年となった、2011-12シーズンが最もよくオドムがチームから抜けたのも関係していたでしょう。

 

 

それにしても、マッドバーンズにワールドピースにバイナムとは違った意味で恐ろしいチームでもありました。

 

プレイ以外の気になる部分

悪質なフラグランとファールや、セレクトの悪い3ポイントシュート、チーム練習での素行の悪さなどが伝えられていますが、ルーキーイヤーの19歳でいきなりシャックに喧嘩売ったプレイヤーですからね・・・

 

 

コービーはシャックを猛烈に止めにいっていますが、ダンクを決められた後も次のオフェンスに切り替えが早かったシャックに体当たりして喧嘩を売っているのは明らかにバイナムです。

 

 

若い頃にNBAのインサイドをオラジュワンやロビンソン、ユーイングらと競り合い、長岐に渡り支えてきたシャックが怒るのも無理はないでしょう。

また、悪質なフラグランとファールに関しても同様のプレイは何度か目にしたことがあり、教科書のようなポストムーブが出来るプレイヤーとは考えにくい行動です。

ワールドピースになだめられているのもなんだか・・・

 

 

動画にはありませんが、チーム練習の素行の悪さなどはゲームでのプレイ以上にチームの調和を乱し、バスケットの世界最高レベルであるNBAではやはりどれだけいいプレイをしてもそういった部分が抜けていては活躍は難しいです。

それは日本の中学校・高校の部活動であっても同じことが言えるでしょう。

実際にレイカーズ退団以降は幾つかのチームを渡り歩き出場機会も少なかったため、そういった問題の強い選手であることが分かります。

 

 

 

 

キャリアスタッツ

レギュラーシーズン

シーズン 年齢 チーム 出場試合 出場時間 得点 リバウンド アシスト FG確率 3PT確率 FT確率 スティール ブロック TO
05-06 18 LAL 46 7.3 1.6 1.7 0.2 40.2% 0.0% 29.6% 0.1 0.5 0.4
06-07 19 LAL 82 21.9 7.8 5.9 1.1 55.8% 0.0% 66.8% 0.1 1.6 1.4
07-08 20 LAL 35 28.8 13.1 10.2 1.7 63.6% 0.0% 69.5% 0.3 2.1 1.5
08-09 21 LAL 50 28.9 14.3 8.0 1.4 56.0% 0.0% 70.7% 0.4 1.8 1.7
09-10 22 LAL 65 30.4 15.0 8.3 1.0 57.0% 0.0% 73.9% 0.5 1.4 1.8
10-11 23 LAL 54 27.8 11.3 9.4 1.4 57.4% 0.0% 66.0% 0.4 2.0 1.4
11-12 24 LAL 60 35.2 18.7 11.8 1.4 55.8% 10.0% 69.2% 0.5 1.9 2.5
12-13 25
13-14 26 合計 26 19.8 8.7 5.6 1.1 41.8% 0.0% 75.5% 0.2 1.1 1.3
13-14 26 CLE 24 20.0 8.4 5.3 1.1 41.9% 0.0% 76.2% 0.3 1.2 1.3
13-14 26 IND 2 18.0 11.5 9.5 1.0 40.9% 0.0% 71.4% 0.0 0.5 2.0

 

プレイオフ

シーズン 年齢 チーム 出場試合 出場時間 得点 リバウンド アシスト FG確率 3PT確率 FT確率 スティール ブロック TO
05-06 18 LAL 1 2.0 0.0 0.0 0.0 0.0% 0.0 0.0 0.0
06-07 19 LAL 5 11.0 4.0 4.6 0.0 53.3% 40.0% 0.0 0.4 0.4
08-09 21 LAL 23 17.4 6.3 3.7 0.4 45.7% 65.1% 0.3 0.9 0.8
09-10 22 LAL 23 24.4 8.6 6.9 0.5 53.7% 67.9% 0.3 1.6 0.9
10-11 23 LAL 10 32.0 14.4 9.6 0.8 54.3% 83.3% 0.5 1.4 2.0
11-12 24 LAL 12 37.6 16.7 11.1 1.5 47.7% 78.3% 0.4 3.1 1.3

 

最後に

 

膝の治療に専念し、完全復帰を待ちわびたファンも多かったですが、復帰に向けたような練習は行っていなかったようで結局NBAからは引退というカタチになっています。

NBAの中で怪我に泣いた選手はとても多いですが、自身の行動をプラスしてこれほどもったいないと思える選手は他にいないかもしれません。

 

 

年齢 37歳
身長 213cm
体重 129kg
国籍 アメリカ

 

コメント

  1. スカラブリ煮 より:

    はじめまして。スカラブリ煮、と申します。

    シャックとの対決は非常に良かったと思います。少々やりすぎた部分もありましたが、依然としてNo.1センターだったシャック相手に強気で勝負する若僧っていうのは、コービーにとっても嬉しかったかもしれません。
    ただその他のやりたい放題なプレーとかファウルはスポーツマンとしての資質を疑いますよね。

    • basketball basketball より:

      こんにちは。はじめまして。
      コメントありがとうございます。

      おっしゃるとおりNBAの中ではあれほど気迫をみせてプレーしなければ、若手にとってアメリカ人であっても厳しいのかもしれませんね。
      ダンク決め返すまでは完璧でしたし。

      チームの調和を乱すプレイヤーは他にも耳にしたり、自分のスポーツ経験の中にも数多くいましたが、あの悪質なフラグラントファールはイマイチ理解できません。

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