ウェスタンカンファレンスのオクラホマシティーサンダーに、ルーキーイヤーから所属したラッセルウェストブルック。
その類稀な身体能力にプラスして身体の強さ、熱いエナジー併せ持ち、NBAの数多いガード陣の中でも得点能力、アシスト、リバウンドに長けたアルティメットプレイヤーです。
ウェストブルックのプレイスタイルやキャリアについて、動画を中心に見ていきましょう。
驚愕の身体能力
日本人からすると信じられないようなジャンプ力を持ったプレイヤーはNBAに数多くいますが、スピード、ジャンプ力、パワーを兼ね備えたプレイヤーは数えるほどしかいません。
ウェストブルックは、その数少ないプレイヤーの1人で、ファーストブレイクやドライブ時に魅せるそのスピードに驚くファンも多いです。
速いガードは他にも多いのですが、スピードに乗った時の勢いは過去の選手を含めてもトップレベルでしょう。
パワーの面でその強さを感じるのはリバウンド時で、ガードプレイヤーでありながらインサイドプレイヤー相手に高さで競っていることも驚きですが、空中でパワー負けせずに競れるところが他のガードプレイヤーとは大きく違います。
通常ガードプレイヤーはあれほどリバウンドに絡みにいかないので、簡単に他選手との比較は出来ませんが、それだけリバウンドを取りにいっているという部分だけでも大きく違います。
実際にガードプレイヤーながら、シーズン平均リバウンド数が10本を越える年が何度もあるほどです。
シーズン平均トリプルダブル
NBA入団3シーズン目以降は全ての年で平均得点が20得点を超えていて、アシスト、リバウンドにも長けているのでトリプルダブルを達成するゲームも多いプレイヤーです。
2016-17シーズン、2017-18シーズンには史上初となるシーズン平均でトリプルダブルという記録を2年連続で達成しています。
また、2018-19シーズンにもシーズン平均トリプルダブルを達成しました。
ただ、ターンオーバーも多く、ポイントガードでプレイしながらもパスミスや強引なドライブによるミス、オフェンスファールなど指摘されている部分は少なからずあります。
それを差し引いても有り余る存在ではありますが、それが無くなったり少しでも減ればと考えると末恐ろしいです。
チーム成績
チームとしても2年目からは1シーズンを除き毎年プレイオフに進出しており、何度かはプレイオフの常連と言うよりはチャンピオンリングを狙える位置まで来ていました。
実際に惜しくもリングは逃しましたがファイナルにも進出していて、シーズン成績も安定しています。
しかし、NBAにはチャンピオンリングが近くて遠いというプレイヤーがこれまでにも数え切れないほどいて、そうならないためにもヒートアップして愚考なプレイに走る姿はファンとしては見たくありません。
デュラントの移籍
2015-16シーズンまでサンダーを共に引っ張てきたケビンデュラントが、シーズン終了後にウォリアーズに電撃移籍することになりました。
ネット上では様々な意見が飛び交いましたが、デュラントを放出したサンダーでのウェストブルックのプレイは、更なる変貌を遂げます。
得点に加えて、アシスト、リバウンドをチームのために量産したウェストブルックは、2016-17シーズンの平均スタッツ31.6得点、10.7リバウンド、10.4アシストを記録します。
トリプルダブルは、NBAの中でも達成できる選手は限られていますが、シーズン平均で達成するという偉業を成し遂げました。
バスケットは5人でやるもので、5人で平均的なスタッツを残したチームの方が強いことは周知の事実ですが、そんなことを吹き飛ばすくらいとんでもない記録です。
ウェストブルック自身も全てはチームのためにしたプレイの結果であり、チームが勝ち星を重ねる方法が他にあったならここまでボールを保持することはなかったでしょう。
サンダーは、プレイオフにも進出しましたが、ファーストラウンドでロケッツに敗れました。
ゲーム後のインタビューで他選手に対して失礼な質問をした記者にウェストブルックは怒りをあらわにしたコメントをしたのも記憶に新しいところです。
ポールジョージ、カーメロの加入
2017-18シーズンを前に、ポールジョージとカーメロアンソニーといったビッグネームがサンダーへ加入しました。
新ビッグ3に加えて、アダムスが自分の仕事に没頭するチームは昨シーズンまでとは違う姿でした。
その中でもウエストブルックの活躍は変わらず、2年連続でシーズン平均トリプルダブルという史上初の快挙を成し遂げました。
上の動画のお客さんの反応を見るだけでも、どれだけ凄いことかよく分かります。
プレイオフにも期待が集まりましたが、ファーストラウンドでジャズに2-4で敗れシーズンを終えています。
乱闘シーンが何度もおこる残念なシリーズとなってしまいました。
2018-19シーズン
カーメロアンソニーはロケッツへ移籍し、ビッグ3は1年で崩壊することとなりました。
それでもポールジョージは、更なる復活を遂げウェストブルック自身も得点ではなくアシストに回る立ち回りで、チームとしては昨シーズンより明らかによく映りました。
ウェスト6位でプレイオフに進出したサンダー。
3位ブレイザーズとの対戦でしたが、レギュラーシーズンは団子状態だったためそこまで力の差があると感じていたNBAファンは少なかったと思います。
それどころか下馬評では、サンダーの方が高かったのを覚えています。
しかし、シリーズは1-4でブレイザーズの圧勝に終わり、ダミアンリラードの劇的なブザービーターウィナーだけが記録に残ったシリーズとなってしまいました。
ロケッツへ移籍
2019-20シーズンオフに、ポールジョージを失ったサンダー。
その数日後に、ウェストブルックがクリスポールとのトレードにより、ロケッツへ移籍するという報道がありました。
ここまでサンダーひとすじだったウェストブルックですが、これだけオフシーズンに数多くのデュオが誕生していれば、移籍したくなるのも無理ないでしょう。
ジェームズハーデンとは、サンダー以来のチームメイトとなりますが、お互いに成熟しているためどのようなバスケットになるかシーズンが始まってみないと正直分かりませんでした。
シーズン中盤辺りから、ウェストブルックのプレイは方向性が決まってきたように感じたファンも多かったのではないでしょうか。
スリーポイントはほぼ封印したような雰囲気で、ファーストブレイクを中心にドライブとジャンパーで確率よく得点を重ねました。
シーズン終盤は怪我に苦しみ、ケガあけで出場したプレイオフでは本来のプレイは見られず、カンファレンスセミファイナルでレイカーズに敗れています。
ウィザーズへ移籍
2020-21シーズンを前にトレーニングキャンプが始まったころ、ジョンウォールとのトレードでワシントンウィザーズへ移籍しました。
ウィザーズでも変わらず、トリプルダブルを量産するウェストブルック。
38試合目にしてトリプルダブル数16に到達し、球団記録を塗り替えました。
5月11日におこなわれたホークス戦で、182度目のトリプルダブルを達成し、NBA記録を更新しました。
レイカーズへ移籍
2021-22シーズンを前に、レイカーズへ移籍したウェストブルック。
レブロンジェームズ、アンソニーデイビスに加えて、新たなビッグ3の誕生でした。
カーメロアンソニーやドワイトハワードも加入したことから、大きな期待が集まりましたが、勝率は上がらず、ウェストブルック自身もシュート確率の低さや凡ミスなどに批判も少なくありませんでした。
チームもウェスト11位でプレイオフ進出を逃しています。
ウェストブルックのバッシュ
ウェストブルックは、ナイキのジョーダンブランドと契約していて、シグニチャーモデルのwhy not?シリーズが発売されています。
キャリアスタッツ
レギュラーシーズン
シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
08-09 | 20 | OKC | 82 | 32.5 | 15.3 | 4.9 | 5.3 | 39.8% | 27.1% | 81.5% | 1.3 | 0.2 | 3.3 |
09-10 | 21 | OKC | 82 | 34.3 | 16.1 | 4.9 | 8.0 | 41.8% | 22.1% | 78.0% | 1.3 | 0.4 | 3.3 |
10-11 | 22 | OKC | 82 | 34.7 | 21.9 | 4.6 | 8.2 | 44.2% | 33.0% | 84.2% | 1.9 | 0.4 | 3.9 |
11-12 | 23 | OKC | 66 | 35.3 | 23.6 | 4.6 | 5.5 | 45.7% | 31.6% | 82.3% | 1.7 | 0.3 | 3.6 |
12-13 | 24 | OKC | 82 | 34.9 | 23.2 | 5.2 | 7.4 | 43.8% | 32.3% | 80.0% | 1.8 | 0.3 | 3.3 |
13-14 | 25 | OKC | 46 | 30.7 | 21.8 | 5.7 | 6.9 | 43.7% | 31.8% | 82.6% | 1.9 | 0.2 | 3.8 |
14-15 | 26 | OKC | 67 | 34.4 | 28.1 | 7.3 | 8.6 | 42.6% | 29.9% | 83.5% | 2.1 | 0.2 | 4.4 |
15-16 | 27 | OKC | 80 | 34.4 | 23.5 | 7.8 | 10.4 | 45.4% | 29.6% | 81.2% | 2.0 | 0.3 | 4.3 |
16-17 | 28 | OKC | 81 | 34.6 | 31.6 | 10.7 | 10.4 | 42.5% | 34.3% | 84.5% | 1.6 | 0.4 | 5.4 |
17-18 | 29 | OKC | 80 | 36.4 | 25.4 | 10.1 | 10.3 | 44.9% | 29.8% | 73.7% | 1.8 | 0.3 | 4.8 |
18-19 | 30 | OKC | 73 | 36.0 | 22.9 | 11.1 | 10.7 | 42.8% | 29.0% | 65.6% | 1.9 | 0.5 | 4.5 |
19-20 | 31 | HOU | 57 | 35.9 | 27.2 | 7.9 | 7.0 | 47.2% | 25.8% | 76.3% | 1.6 | 0.4 | 4.5 |
20-21 | 32 | WAS | 65 | 36.4 | 22.2 | 11.5 | 11.7 | 43.9% | 31.5% | 65.6% | 1.4 | 0.4 | 4.8 |
21-22 | 33 | LAL | 78 | 34.3 | 18.5 | 7.4 | 7.1 | 44.4% | 29.8% | 66.7% | 1.0 | 0.3 | 3.8 |
プレイオフ
シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
09-10 | 21 | OKC | 6 | 35.3 | 20.5 | 6.0 | 6.0 | 47.3% | 41.7% | 84.2% | 1.7 | 0.2 | 2.3 |
10-11 | 22 | OKC | 17 | 37.5 | 23.8 | 5.4 | 6.4 | 39.4% | 29.2% | 85.2% | 1.4 | 0.4 | 4.6 |
11-12 | 23 | OKC | 20 | 38.4 | 23.1 | 5.5 | 5.9 | 43.5% | 27.7% | 80.2% | 1.6 | 0.4 | 2.3 |
12-13 | 24 | OKC | 2 | 34.0 | 24.0 | 6.5 | 7.0 | 41.5% | 22.2% | 85.7% | 3.0 | 0.0 | 4.0 |
13-14 | 25 | OKC | 19 | 38.7 | 26.7 | 7.3 | 8.1 | 42.0% | 28.0% | 88.4% | 2.2 | 0.3 | 4.4 |
15-16 | 27 | OKC | 18 | 37.4 | 26.0 | 6.9 | 11.0 | 40.5% | 32.4% | 82.9% | 2.6 | 0.1 | 4.3 |
16-17 | 28 | OKC | 5 | 38.8 | 37.4 | 11.6 | 10.8 | 38.8% | 26.5% | 80.0% | 2.4 | 0.4 | 6.0 |
17-18 | 29 | OKC | 6 | 39.2 | 29.3 | 12.0 | 7.5 | 39.8% | 35.7% | 82.5% | 1.5 | 0.0 | 5.2 |
18-19 | 30 | OKC | 5 | 39.4 | 22.8 | 8.8 | 10.6 | 36.0% | 32.4% | 88.5% | 1.0 | 0.6 | 4.6 |
19-20 | 31 | HOU | 8 | 32.8 | 17.9 | 7.0 | 4.6 | 42.1% | 24.2% | 53.1% | 1.5 | 0.3 | 3.8 |
20-21 | 32 | WAS | 5 | 37.2 | 19.0 | 10.4 | 11.8 | 33.3% | 25.0% | 79.1% | 0.4 | 0.2 | 4.2 |
年齢 | 34歳 |
身長 | 191cm |
体重 | 203kg |
国籍 | アメリカ |
経歴
- 1988.11アメリカカリフォルニア州ロングビーチ生まれ34年前
- 2006UCLAへ入学レウジンゲル高校卒業後
- 2008ドラフト4位でサンダー入団アーリーエントリー
- 2010トルコワールドカップUSA代表として金メダル獲得
- 2012ロンドンオリンピックUSA代表として金メダル獲得
- 2015得点王計2回 2015,2017
- 2015オールスターMVP計2回 2015,2016
- 2016-17シーズン平均トリプルダブル2017-18シーズンも2年連続で達成
- 2017MVP
- 2018アシスト王計2回 2018,2019
- 2019ロケッツへ移籍
- 2020ウィザーズへ移籍
- 2021レイカーズへ移籍
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