NBAセンターの新時代を築くアンソニーデイビス

 

マイケルジョーダンの最初の引退辺りから、アキームオラジュワンを中心にしばらく続いたNBAでのセンタープレイヤー全盛期もシャキールオニールの引退と共に影を潜めています。

そんな中、これまでのNBAセンターとは違ったスタイルで、新たなインサイド主体のバスケットを期待させてくれるアンソニーデイビス。

208cmとNBAのインサイドプレイヤーの中ではけして大きい方ではありませんが、スピード・ステップ、ウィングスパンを活かしたインサイドプレイに加えて、シュートレンジも広いです。

また、パワープレイに関してもNBA入団後ウェイトトレーニングにより体重を10kg以上増加したと言われており、それでいてスピードの落ちないプレイはセンタープレイヤーの新たなスタイルをイメージさせてくれます。

2012年ドラフト1位でNBA入団

 

2012年にドラフト全体1位でニューオリンズペリカンズに指名されたアンソニーデイビスはルーキーイヤーからシーズン平均13.5得点、8.2リバウンドを記録します。

翌年にはそのスタッツを飛躍的に伸ばしシーズン平均得点20.8得点、10.1リバウンド、2.8ブロックと一気にNBAのスター選手へと名乗りを挙げました。

2.8ブロックは2013-14シーズンのNBAリーダーとなっていて、入団2年目で早くもタイトルを獲得しています。

 

 

身長に似つかわしくないプレイスタイル

 

動画を見ると不思議と211cmもあるように見えないのですが、それはスピードや動きが他の同身長のプレイヤーと異なるからでしょうか?!

それでもブロックショットはスローで見れば考えにくい高さですし、体制が崩れた状態からのダンクやアリウープはそれだけ高さがなければ出来るものではありません。

こういったセンタープレイヤーは日本ではもちろんのことNBAでもあまり見かけることがないので、より大きくて動ける選手が今後多く出てくると感じさせてくれるプレイヤーと言えます。

 

 

このようなセンターらしくない動きはアンソニーデービスがもともとガードプレイヤーであったことからも可能であると言われています。

高校時代に20cm以上身長が伸び、インサイドプレイヤーへポジションチェンジしたことが今のプレイに大きな影響を与えていることは間違い無さそうです。

漫画「スラムダンク」山王の河田兄も同じような境遇で顔に似合わない細かいテクニックも兼ね備えていましたが、センタープレイヤーだからといってインサイドのポストプレイばかり練習するというのは正解ではないのかもしれません。

もちろんポストプレイが出来ないのにアウトサイドシュートや速攻の練習ばかりしていては本末転倒ですが、特に小学校や中学校からはどれだけ身長が伸びるか分かりません。

アンソニーデイビスのように身長が伸びず、逆にセンタープレイヤーからガードへ転向しなくてはいけないというときには非常に苦しんでいるプレイヤーをよく見るので、年齢が低い世代こそ全ての基礎は身につけておいたほうがいいでしょう。

 

 

話が少しずれましたが、ブロックショットもさることながら、その後のファーストブレイクに参加しゴールを決めるシーンも素晴らしいです。

速攻が走れるセンターがチームにいれば得点する確率がグンと上がるのは事実で、より簡単に点が取れるオーバーナンバーをつくりやすくなるためチームにとっては大きいです。

 

カズンズやロンドの加入

2017-18シーズンにペリカンズは大きく飛躍することになります。

デマーカスカズンズやレイジョンロンドの加入は大きく、ドリューホリデーの活躍も目覚ましかった印象です。

カズンズはシーズン途中アキレス腱断裂により離脱しますが、2014-15シーズン以来となるプレイオフ進出を果たし、ファーストラウンドではウェスト3位のブレイザーズをスイープで退けました。

アンソニーデイビス自身もエースとして得点を重ねGame4では47得点を挙げています。

 

 

カンファレンスセミファイナルでは王者ウォリアーズと対戦しました。

ファーストラウンドの勢いそのままに期待したファンも多かったですが、王朝の壁は厚く1-4で完敗と言える結果でした。

デイビスもグリーンのディフェンスにてこずっていた印象は否めません。

 

 

2018-19シーズンオフにはカズンズがウォリアーズへ、ロンドがレイカーズへ移籍し新チームでの戦いとなります。

 

シーズンをほぼ棒に振った2018-19

スタッツ的には前年までと同様に素晴らしい数字を残したアンソニーデイビス。

それでもチームとの関係性は最悪ともいえる状態で、あからさまにトレードを要求しリーグから100万円以上の罰金を科せられるほどでした。

チームもプレイオフ進出を逃し、ケガも重なりアンソニーデイビスのキャリアの中でこれほどもったいないと思える1年はなかったかもしれません。

2019のドラフトでは、1位指名権を獲得しザイオンウィリアムズがほぼ入団確定といわれていましたが、アンソニーデイビスはそれでもチームを出たいとコメントしていました。

レイカーズへ移籍

2019-20シーズンオフに入った直後、アンソニーデイビスの移籍報道が飛び込んできました。

かねてから噂のあったレイカーズとのトレードで、有能な若手選手3人とドラフト指名権3つとアンソニーデイビス1人のトレードです。

 

 

シーズン序盤から、レブロンジェームズとアンソニーデイビスのデュオは躍動しウェスト1位をひた走りました。

 

 

異次元のアリウープは度々「理不尽」とコメントがつくほどです。

 

 

シーズンをウェスト首位でプレイオフに進出したレイカーズ。

 

 

プレイオフでも危なげない戦いで進み、ファイナルでもマイアミヒートを4-2で退けアンソニーデイビスは自身初となるチャンピオンリングを獲得しています。

 

 

シーズンオフには5年190Mドルでレイカーズと再契約しています。

2020-21シーズン

2020-21シーズンは怪我に苦しめられたシーズンとなりました。

シーズン中盤にふくらはぎの張りとアキレス腱の炎症により長期離脱し、シーズンは36試合の出場にとどまりました。

プレイオフではファーストラウンド第4戦で左鼠径部を痛めて途中退場し、第5戦は欠場、第6戦は出場しましたが開始約5分で再び左鼠径部の痛みを訴え途中退場しそのままゲームに戻ることは出来ませんでした。

チームもサンズに2-4で敗れシーズンを終えています。

前シーズンが新型コロナウィルスの影響で大きく遅れ、ファイナルまで進んだレイカーズとヒートは特にチーム状況がよくありませんでした。

 

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2021-22シーズン

2021-22シーズンも、デイビスは怪我に苦しみました。

シーズン序盤は元気な姿を見せていましたが、中盤から終盤にかけて欠場が続き40試合の出場にとどまり、チームもプレイオフ進出を逃しました。

 

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キャリアスタッツ

レギュラーシーズン

シーズン 年齢 チーム 出場試合 出場時間 得点 リバウンド アシスト FG確率 3PT確率 FT確率 スティール ブロック TO
12-13 19 NOH 64 28.8 13.5 8.2 1.0 51.6 0.0 75.1 1.2 1.8 1.4
13-14 20 NOP 67 35.2 20.8 10.0 1.6 51.9 22.2 79.1 1.3 2.8 1.6
14-15 21 NOP 68 36.1 24.4 10.2 2.2 53.5 8.3 80.5 1.5 2.9 1.4
15-16 22 NOP 61 35.5 24.3 10.3 1.9 49.3 32.4 75.8 1.3 2.0 2.0
16-17 23 NOP 75 36.1 28.0 11.8 2.1 50.5 29.9 80.2 1.3 2.2 2.4
17-18 24 NOP 75 36.4 28.1 11.1 2.3 53.4 34.0 82.8 1.5 2.6 2.2
18-19 25 NOP 56 33.0 25.9 12.0 3.9 51.7 33.1 79.4 1.6 2.4 2.0
19-20 26 LAL 62 34.4 26.1 9.3 3.2 50.3 33.0 84.6 1.5 2.3 2.5
20-21 27 LAL 36 32.3 21.8 7.9 3.1 49.1 26.0 73.8 1.3 1.6 2.1
21-22 28 LAL 40 35.1 23.2 9.9 3.1 53.2 18.6 71.3 1.2 2.3 2.1

 

プレイオフ

シーズン 年齢 チーム 出場試合 出場時間 得点 リバウンド アシスト FG確率 3PT確率 FT確率 スティール ブロック TO
14-15 21 NOP 4 43.0 31.5 11.0 2.0 54.0 0.0 88.9 1.3 3.0 3.3
17-18 24 NOP 9 39.8 30.1 13.4 1.7 52.1 27.3 82.8 2.0 2.3 2.6
19-20 26 LAL 21 36.6 27.7 9.7 3.5 57.1 38.3 83.2 1.2 1.4 2.5
20-21 27 LAL 5 28.8 17.4 6.6 2.6 40.3 18.2 83.3 0.6 1.6 1.2

 

 

年齢 30歳
身長 208cm
体重 115kg
国籍 アメリカ

 

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