日本のバスケットボール界において、今やその名を知らない者はいない存在となった河村勇輝選手。
172cmという、バスケットボール選手としては小柄な体格ながら、圧倒的なスピードと卓越したコートビジョン、そして勝負どころでの決定力を武器に、Bリーグから日本代表、そして世界最高峰のNBAへと駆け上がりました。
本記事では、山口県での幼少期から、高校・大学での躍進、プロでの覚醒、そしてアメリカでの挑戦に至るまでの、彼のこれまでの歩みを詳細に振り返ります。
福岡第一高校での全国制覇と「最強」の称号
山口県柳井市出身の河村選手は、教員である両親のもとで育ち、幼少期からバスケットボールに打ち込みました。
その才能が全国に知れ渡るきっかけとなったのが、高校バスケットボールの名門・福岡第一高校への進学です。
井手口孝監督の指導のもと、河村選手は1年時からベンチ入りし、2年時と3年時には「ウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権大会)」で2連覇を達成しました。
特に3年時のチームは、圧倒的な速攻を武器に他校を寄せ付けず、河村選手はその中心として「高校No.1ポイントガード」の評価を不動のものにしました。
卓越したハンドリングと、ノールックパスに代表される独創的なアシストセンスは、当時からすでに高校生離れしており、彼の試合を一目見ようと会場には多くのファンが詰めかけました。
Bリーグデビューと史上最年少記録の更新
高校3年生だった2020年1月、河村選手は「特別指定選手制度」を利用して三遠ネオフェニックスに加入し、Bリーグの舞台に立ちました。
デビュー戦でいきなり当時の史上最年少出場記録(18歳8カ月23日)を更新すると、その試合で8得点を挙げる鮮烈なデビューを飾りました。
その後、東海大学に進学しましたが、大学バスケ界でもその実力は群を抜いていました。
1年時から主力としてインカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)優勝に貢献。
しかし、彼の視線は常にさらに高いレベルに向けられていました。
2022年3月、河村選手は大学を中退し、横浜ビー・コルセアーズとプロ契約を結ぶことを決断します。
これは、日本代表としてのパリオリンピック出場、そして将来的なNBA挑戦を見据えた、極めて意志の強い決断でした。
横浜ビー・コルセアーズでの覚醒と個人タイトル総なめ
プロ選手としてフルシーズンを戦うことになった2022-23シーズン、河村選手は日本バスケ界の歴史を塗り替えるパフォーマンスを披露します。
それまでは「パス第一」のポイントガードという印象が強かった彼ですが、このシーズンは得点能力が爆発。
1試合平均19.5得点、8.5アシストという驚異的な数字を記録しました。
この活躍により、河村選手はBリーグ史上初となる「レギュラーシーズンMVP」と「新人賞」のダブル受賞を達成しました。
さらに、ベストファイブ、アシスト王、そして「ココロ、たぎる。賞」など、計6冠を手にするという空前絶後の快挙を成し遂げました。
彼の活躍により、それまで低迷していた横浜ビー・コルセアーズはチャンピオンシップ進出を果たすなど、チームの文化そのものを変える大きな影響を与えました。
世界を震撼させた2023年W杯とパリオリンピック
河村選手の名が世界中に知れ渡ったのは、2023年に日本で開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ」です。
格上のフィンランド代表を相手に、第4クォーターだけで15得点を挙げる大爆発を見せ、日本代表を歴史的な逆転勝利へと導きました。
大会を通じて、世界トップクラスのガードを相手にしてもそのスピードが通用することを証明し、日本のパリオリンピック出場権獲得の立役者となりました。
そして迎えた2024年のパリオリンピック。
開催国であり、後に銀メダルを獲得する強豪フランス代表との一戦で、河村選手は伝説的なプレーを見せました。
NBAのスター選手たちが並ぶフランスに対し、29得点、7アシスト、6リバウンドという獅子奮迅の活躍を披露。
試合には惜敗したものの、会場からは鳴り止まない喝采が送られ、NBAのスカウトやメディアからも「今すぐNBAでプレーできる」と絶賛されることとなりました。
NBAへの挑戦:メンフィス・グリズリーズでの歩み
オリンピックでの活躍を受け、河村選手は長年の夢であったNBAへの挑戦を本格化させます。
2024年9月、NBAのメンフィス・グリズリーズと「エキシビット10」契約を締結。
キャンプ期間中に必死のアピールを続け、プレシーズンマッチでは随所に持ち前のパスセンスと3ポイントシュートを披露しました。
その献身的な姿勢と高い技術は、エースのジャ・モラントをはじめとするチームメイトからも深く信頼されるようになりました。
その結果、開幕直前にNBA選手としての第一歩となる「2WAY契約」を勝ち取りました。
これは、NBAチームと下部リーグ(Gリーグ)の両方に所属できる契約であり、日本人選手としては田臥勇太氏、渡邊雄太選手、八村塁選手に続く史上4人目のNBAプレーヤー誕生という快挙でした。
身長のハンデを一切言い訳にせず、常に自らの限界を更新し続ける河村選手の挑戦は、現在も進行形です。
2026年現在はシカゴブルズと2way契約を結んでいます。
アメリカの地でさらに磨きがかかる彼のスピードとクリエイティビティは、日本のバスケットボールの可能性をどこまで広げてくれるのか。
その一歩一歩が、日本のスポーツ史に新たな1ページを刻み続けています。
NBAキャリスタッツ
レギュラーシーズン
| シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
| 24-25 | 23 | MEM | 22 | 4.2 | 1.6 | 0.5 | 0.9 | 36.7 | 30.4 | 77.8 | 0.1 | 0.0 | 0.2 |
プレイオフ
出場経験なし
| 年齢 | 24歳 |
| 身長 | 172cm |
| 体重 | 72kg |
| 国籍 | 日本 山口県出身 |























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