日本バスケットボール界において、観客を熱狂させる「華」と、試合の流れを一変させる「爆発力」を兼ね備えた唯一無二のシューター、それが辻直人選手です。
精度の高い3ポイントシュートはもちろんのこと、勝負どころで次々とシュートを沈める姿は彼の代名詞であり、長年日本代表やBリーグのトップチームで主役を演じてきました。
また、卓越したパスセンスと高いバスケIQ、そしてファンを惹きつける明るいキャラクターを併せ持ち、日本のバスケ人気を支えてきた功労者でもあります。
本記事では、名門校での活躍からプロでの栄光、そして新天地での挑戦に至るまでの彼のキャリアを詳しく辿ります。
洛南高校・青山学院大学での「黄金時代」
1989年9月8日、大阪府に生まれた辻直人選手は、幼少期からバスケットボールに親しみ、中学卒業後には京都の名門・洛南高校へと進学しました。
洛南高校時代は、比江島慎選手らとともに「ウインターカップ2連覇」を達成。
辻選手はその高いシュート能力を武器に、名門チームの主力として全国にその名を轟かせました。
その後、関東の強豪・青山学院大学へ進学。
当時の青山学院大学は、後に日本代表となる比江島選手や張本天傑選手らを擁するスター軍団でしたが、その中でも辻選手はエースシューターとして君臨しました。
関東大学リーグやインカレでの優勝を経験し、個人としても数々のタイトルを獲得。
「勝負どころで必ず決めるシューター」としての評価を確固たるものにし、鳴り物入りでトップリーグの世界へと足を踏み入れることになります。
東芝・川崎ブレイブサンダースでの栄光とエースとしての自覚
2012年、辻選手は東芝ブレイブサンダース(現:川崎ブレイブサンダース)に加入しました。
プロ1年目からその実力は群を抜いており、JBL 2012-13シーズンで新人王を受賞。
さらに翌2013-14シーズン(NBL)では、チームをリーグ優勝に導き、自身もプレーオフMVPに輝くという快挙を成し遂げました。
川崎での9年間、辻選手はニック・ファジーカス選手らとともにチームの象徴であり続けました。
Bリーグ開幕後も、その勝負強さは健在。
2021年の天皇杯優勝など、多くのタイトル獲得に貢献しました。
川崎時代の辻選手は、単なるシューターに留まらず、ピック&ロールからのアシストや、巧みなゲームメイクも披露。
ファンからは「ミスター・ブレイブサンダース」の一人と目されるほど、地域とチームに深く愛される存在でした。
日本代表としての貢献と国際舞台での戦い
辻選手のキャリアを語る上で、日本代表での活躍も欠かせません。
長年にわたり代表のシューターとして選出され、数々の国際大会に出場してきました。
2010年代の厳しいアジア予選や、2021年の東京オリンピックなど、日本バスケ界が変革を迎える重要な局面で、常に外角からの得点源として期待され続けてきました。
特に、日本が世界との差を痛感していた時期においても、辻選手の放つ3ポイントシュートは世界相手に通用する武器であることを証明しました。
彼の存在は、後の富樫勇樹選手や河村勇輝選手といった「速くて打てるガード」が台頭する土壌を作る、大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
新たな挑戦:広島ドラゴンフライズでの躍進
2021年、辻選手は長年過ごした川崎を離れ、広島ドラゴンフライズへの電撃移籍を決断します。
この移籍は、Bリーグ界に大きな衝撃を与えました。
広島という新たな環境において、彼はベテランとしてのリーダーシップを発揮。
それまで低迷していたチームを、チャンピオンシップを争う強豪へと引き上げる原動力となりました。
広島での辻選手は、エースとしての得点能力に加え、若手選手へのアドバイスや精神的な支柱としての役割も果たしました。
2022-23シーズンには、チーム史上初となるCS(チャンピオンシップ)進出に大きく貢献。
彼の加入によって広島のバスケットボール文化は大きく成熟し、「辻直人」というブランドが地方都市のバスケ熱を爆発させることを証明しました。
群馬クレインサンダーズでのさらなる進化
2023年、辻選手はさらなる挑戦を求めて群馬クレインサンダーズへ移籍します。
新アリーナを建設し、急速な発展を遂げる群馬において、彼は「経験豊富な勝負師」としての役割を担いました。
群馬では、スピーディーな展開を好むチームスタイルの中で、トランジションからの3ポイントや、決定的な場面でのシュートを量産。
ベテランの域に達してもなお、そのシュートの精度と勝負勘は衰えるどころか、より研ぎ澄まされています。
また、YouTubeやSNSを通じた発信力も高く、コート内外で日本バスケ界を盛り上げようとする姿勢は、後進の選手たちにとっても大きな手本となっています。
「辻タイム」が発動した際のアリーナの一体感は、群馬においてもすでに名物となっており、彼がどこへ行っても人々を魅了するスターであることを物語っています。
プレースタイルの特徴
辻選手の最大の特徴は、そのシュートフォームの美しさとリリースの速さです。
マークが厳しくても、わずかな隙さえあればシュートを放つことができ、一度入り始めると止まらなくなる爆発力を持っています。
この爆発的な得点ラッシュこそが、辻選手の最大の特徴です。
また、ガードとしての技術も高く、鋭いパスでゴール下の選手を活かすプレーも得意としています。
ディフェンスを引きつけておいてからのアシストは、対戦相手にとって非常に守りづらい脅威となります。
加えて、彼のプレーには常に「遊び心」があり、観客を驚かせるようなノールックパスや高難易度のシュートを披露することも多く、まさにエンターテイナーとしての側面も併せ持っています。
30代半ばを迎え、自らの役割を理解し、チームに勝利をもたらすために最適なプレーを選択するその姿には、完成されたプロフェッショナルの矜持が漂っています。
| 年齢 | 36歳 |
| 身長 | 185cm |
| 体重 | 84kg |
| 出身地 | 日本 大阪府 |





















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