フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、NBAでも最も歴史あるフランチャイズの一つです。
1946年にシラキュース・ナショナルズとして創設され、1963年にフィラデルフィアに移転して現在のチーム名となりました。
NBAチャンピオンシップを3回制覇(1955年、1967年、1983年)しており、数多くの殿堂入り選手を輩出してきました。
現在のホームアリーナはXフィニティ・モバイル・アリーナ(旧ウェルズ・ファーゴ・センター)です。
創設からフィラデルフィア移転まで(シラキュース・ナショナルズ時代)
チームは1946年にニューヨーク州シラキュースで生まれ、NBL(後のNBA)で活躍しました。
1955年にはディビジョン優勝を果たし、フォートウェイン・ピストンズを破って初のNBAタイトルを獲得しています。
この時期の中心選手は、ドルフ・シェイズ(殿堂入りフォワード/センター)でした。
彼はチーム史上最も長く在籍した選手の一人で、キャリアを通じて安定した得点とリバウンドを記録しました。
また、ハル・グリア(ガード)も1958年から加入し、チームの顔となりました。
黄金期とウィルト・チェンバレンの時代(1960年代)
1963年にフィラデルフィアへ移転後、チーム名を「セブンティシクサーズ」(1776年のアメリカ独立宣言にちなむ)と改めました。
最大のハイライトは1966-67シーズンです。
ウィルト・チェンバレン(センター)を獲得したチームは、史上最高レベルの68勝13敗を記録し、サンフランシスコ・ウォリアーズを破ってチャンピオンに輝きました。
チェンバレンはMVPを2年連続受賞するなど、圧倒的な支配力を見せつけました。
ビリー・カニングハム(フォワード)とハル・グリアも重要な役割を果たしました。
ドクター・Jと完璧な優勝(1970-80年代)
1970年代初頭は低迷期があり、1972-73シーズンには9勝73敗というNBA史上最悪級の記録を残しました。
しかし、1976年にABAからジュリアス・アービング(通称ドクター・J)が加入すると、チームは急激に復活します。
アービングの空中戦と華麗なプレーがファンを魅了し、1983年にはモーゼス・マローン(センター、MVP&ファイナルMVP)を加えた布陣でロサンゼルス・レイカーズを4-0でスイープし、3度目の優勝を達成しました。
他の重要選手としてモーリス・チークス(ガード)やボビー・ジョーンズも欠かせません。
アレン・アイバーソンの時代と2001年ファイナル(1990-2000年代)
1996年に全体1位指名でアレン・アイバーソンが入団すると、彼はチームの象徴となりました。
身長183cmながら爆発的なスピードとスコアリングで2001年にリーグMVPを獲得し、ファイナルまでチームを導きました(レイカーズに1-4で敗退)。
アイバーソンは「アンサー」の愛称で知られ、フィラデルフィアの誇りです。
また、チャールズ・バークレー(1984-92年在籍)もこの時期のスターで、強烈なインサイドプレーが特徴でした。
ザ・プロセスとジョエル・エンビード(2010年代~)
2013年からGMのサム・ヒンキーが「ザ・プロセス」と呼ばれる長期再建戦略を実施し、意図的に低迷しながらドラフト指名権を蓄積しました。
この結果、ジョエル・エンビード(2014年ドラフト)、ベン・シモンズ(2016年)らが加入。
エンビードは7フッターながら優れたシュート力とディフェンスで2023年にリーグMVPを受賞し、現代のフランチャイズプレイヤーとなっています。
タイリース・マクシー(ガード)も近年急成長し、オールスターに選出される活躍を見せています。
2024年にはポール・ジョージを獲得するなど補強を進めましたが、2024-25シーズンは怪我の影響もあり24勝58敗と苦戦しました(プレイオフ進出ならず)。
2025-26シーズン現在もエンビード、マクシーを中心に再建を進めています。
主な殿堂入り選手と象徴的な所属選手まとめ
ウィルト・チェンバレン(1965-68):支配的なセンター
ジュリアス・アービング(ドクター・J、1976-87):空中戦の象徴、1983年優勝リーダー
モーゼス・マローン(1982-86):1983年ファイナルMVP
アレン・アイバーソン(1996-2006, 2009-10):2001年MVP
ジョエル・エンビード(2016-):2023年MVP、現代の顔
その他:ハル・グリア、ビリー・カニングハム、チャールズ・バークレー、モーリス・チークスなど
最後に
フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、栄光と苦難を繰り返しながらも、常に情熱的なファンを魅了し続けています。
これからもエンビードや若手選手たちの活躍に期待が高まります。




















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