ポートランドトレイルブレイザーズの歴史と主な所属選手

 

ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)は、オレゴン州ポートランドに本拠地を置く、NBAでも屈指の熱狂的なファンベースを持つチームです。

「リップ・シティ(Rip City)」の愛称で親しまれるこのチームは、1970年の創設以来、地域密着型の運営と、記憶に残る数々の名プレーヤーを輩出してきました。

本記事では、1977年の劇的な優勝から、黄金の90年代、そして「デイム・タイム」と呼ばれたスター時代を経て、現在(2026年)の再建期に至るまでの歴史と、チームの象徴である歴代選手たちについて詳しく解説します。

創設と「ブレイザーマニア」の誕生

トレイルブレイザーズは1970年にNBAの拡張チームとして誕生しました。

チーム名の「ブレイザーズ」は、西部開拓時代の先駆者(トレイルブレイザー)にちなんでいます。

創設当初は苦戦が続きましたが、1974年にドラフト1位で指名したセンター、ビル・ウォルトンの加入がすべてを変えました。

名将ジャック・ラムジー監督の下、チームは「献身的なパス回しと強力なディフェンス」というプレースタイルを確立。

1976-77シーズン、プレーオフ初出場にしてファイナル進出を果たすと、強豪フィラデルフィア・76ersを破り、フランチャイズ史上唯一のNBAチャンピオンに輝きました。

 

 

ポートランドの街はこの快挙に熱狂し、この現象は「ブレイザーマニア」と呼ばれ、以後何十年にもわたるファンの熱い支持の礎となりました。

クライド・ドレクスラーと黄金の1990年代

1980年代半ばから90年代にかけて、ブレイザーズは再び黄金時代を迎えます。

その中心にいたのが、驚異的な跳躍力から「ザ・グライド(滑空)」と呼ばれたクライド・ドレクスラーです。

ドレクスラーを筆頭に、テリー・ポーター、ケビン・ダックワース、ジェローム・カーシーといった個性豊かなメンバーを揃えたブレイザーズは、1990年と1992年にNBAファイナルへ進出しました。

 

 

 

1990年はデトロイト・ピストンズ、1992年はマイケル・ジョーダン擁するシカゴ・ブルズに敗れ、惜しくも優勝は逃しましたが、この時期のブレイザーズは「リーグで最も完成されたチーム」の一つとして高く評価されていました。

「ジェイル・ブレイザーズ」と苦難の時代

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、チームは高い才能を持ちながらも、コート外でのトラブルが相次ぐ時期を迎えます。

ラシード・ウォーレス、スコッティ・ピッペン、アービダス・サボニスらを擁し、2000年にはカンファレンス・ファイナルでレイカーズを追い詰めるほどの実力がありましたが、素行の問題からファンは一時離れ、「ジェイル(刑務所)・ブレイザーズ」という不名誉なニックネームで呼ばれることもありました。

 

 

しかし、この暗雲を振り払ったのが、2006年に入団したブランドン・ロイとラマーカス・オルドリッジでした。

ロイの類まれなリーダーシップと才能により、チームは再びポートランドの誇りを取り戻しましたが、ロイは膝の怪我により若くして引退を余儀なくされるという悲劇に見舞われました。

デイミアン・リラード:忠誠と熱狂の11年間

2012年、ドラフト6位で指名されたデイミアン・リラードの登場により、ブレイザーズは新たな「顔」を手に入れます。

リラードは新人王獲得を皮切りに、勝負どころで放つ「デイム・タイム」と呼ばれるクラッチシュートで何度もチームを救いました。

特に2014年のヒューストン・ロケッツ戦、2019年のオクラホマシティ・サンダー戦で見せたブザービーターは、NBA史に残る名場面です。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=0oQ-uuQKMGw

 

リラードは「ポートランドへの忠誠」を公言し続け、CJ・マッカラムとの名コンビで2019年にはカンファレンス・ファイナル進出を果たしました。

しかし、優勝への壁は厚く、2023年、リラードはさらなる高みを目指してミルウォーキー・バックスへとトレードされ、一つの時代が終焉を迎えました。

現在(2026年):若き才能と再建への道

2023年のリラード退団を受け、ブレイザーズは現在、完全な再建モードにあります。

中心となっているのは、2023年ドラフト3位指名のスクート・ヘンダーソンと、高いポテンシャルを秘めたシェイドン・シャープ、そして2024年に加入した大型センターのドノバン・クリンガンらです。

2026年現在、チャンシー・ビラップス監督の下、チームは勝利数こそまだ多くありませんが、若手の成長を軸にしたスピーディーなバスケットボールを展開しています。

 

 

かつての「ブレイザーマニア」たちが再びアリーナを熱狂で揺らす日は、この若き先駆者たちの成長にかかっています。

主な歴代・現役所属選手プロフィール

ビル・ウォルトン(Bill Walton)

在籍期間: 1974–1979

実績: 1977年優勝、ファイナルMVP、1978年シーズンMVP

特徴: 圧倒的なパスセンスとリバウンド能力を備えたセンター。

怪我に泣かされましたが、健康な時の彼は「完成された選手」の理想像でした。

 

 

クライド・ドレクスラー(Clyde Drexler)

在籍期間: 1983–1995

実績: 永久欠番22、オールスター選出(ブレイザーズで8回)

特徴: 華麗なダンクとスピードで1990年代のNBAを代表するスターでした。

チーム歴代得点やスティールなどの多くでトップクラスの記録を保持しています。

 

 

 

デイミアン・リラード(Damian Lillard)

在籍期間: 2012–2023

実績: 新人王、オールNBAチーム選出多数、チーム歴代最多得点記録保持者

特徴: 超ロングレンジの3ポイントシュートと、勝負強さは異次元。

ポートランドという街を誰よりも愛し、ファンから神聖視されるレジェンドです。

 

 

 

アービダス・サボニス(Arvydas Sabonis)

在籍期間: 1995–2001, 2002–2003

実績: 2011年殿堂入り

特徴: 「ヨーロッパ史上最高のセンター」。

30歳を過ぎてからのNBA入りでしたが、そのパスセンスとシュート技術は全米を驚かせました。

 

 

ラマーカス・オルドリッジ(LaMarcus Aldridge)

在籍期間: 2006–2015

実績: オールスター選出(ブレイザーズで4回)

特徴: 正確なミドルレンジ・シュートを武器にしたパワーフォワード。

リバウンド数でも球団記録の上位に名を連ねる名プレーヤーです。

 

 

スクート・ヘンダーソン(Scoot Henderson)

在籍期間: 2023–

特徴: 圧倒的なスピードと力強さを兼ね備えたポイントガード。

ポスト・リラード時代の旗手として、チームの未来を背負っています。

 

 

最後に

ポートランド・トレイルブレイザーズの歴史は、栄光と苦難、そして深い地元愛が交錯する物語です。

ビル・ウォルトンの献身、ドレクスラーの華麗さ、リラードの忠誠心。

これらすべての要素が「リップ・シティ」のアイデンティティを形作ってきました。

現在は若手中心の厳しい時期ではありますが、ポートランドのファンは、再び自分たちのチームがリーグの先駆者(トレイルブレイザー)として頂点に立つ日を信じて疑いません。

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