ニューオリンズペリカンズの歴史と主な所属選手

 

NBA西カンファレンスのサウスウェスト・ディビジョンに所属するニューオーリンズ・ペリカンズは、比較的若いチームでありながら、NBAの歴史において極めて濃密でドラマチックな変遷を辿ってきたチームです。

スーパースターの台頭、自然災害による避難、チーム名の変更、そして新たな時代の夜明け。その歴史には、常に「不屈の精神」が宿っています。

本記事では、ペリカンズの誕生から現在に至るまでの軌跡と、チームを象徴する偉大な選手たちについて詳しく解説します。

チームの起源:シャーロットからニューオーリンズへ

ペリカンズの歴史は少々複雑です。

もともとは1988年に創設された「シャーロット・ホーネッツ」がその母体となっています。

2002年、当時のオーナーであったジョージ・シンが本拠地をノースカロライナ州シャーロットからルイジアナ州ニューオーリンズへと移転させたことで、現在のフランチャイズの歴史が実質的にスタートしました。

移転当初の「ニューオーリンズ・ホーネッツ」には、バロン・デイビスやジャマール・マッシュバーンといった実力者が揃っており、初年度からプレーオフに進出するなど、幸先の良いスタートを切りました。しかし、チームの運命を大きく揺るがす出来事が待ち受けていました。

ハリケーン・カトリーナと「オクラホマシティ」での避難生活

2005年、超大型ハリケーン「カトリーナ」がニューオーリンズを襲い、壊滅的な被害をもたらしました。

本拠地アリーナも被害を受けたため、チームは2005-06シーズンからの2年間、オクラホマシティに暫定的に拠点を移し、「ニューオーリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ」として活動することを余儀なくされました。

この苦難の時期にドラフトで指名されたのが、後の殿堂入りポイントガード、クリス・ポールです。

 

 

ポールの躍動は、被災したニューオーリンズの人々に希望を与え、同時にオクラホマシティにNBA人気の土壌を築くことにも繋がりました(これが後のサンダー創設の一助となります)。

2007年にチームが完全にニューオーリンズへ帰還した際、彼らは以前よりもさらに強い絆で地元ファンと結ばれていました。

クリス・ポール時代:強豪への飛躍

2007-08シーズン、ホーネッツは球団史上最高の黄金期を迎えます。

クリス・ポールがアシスト王とスティール王に輝き、デビッド・ウエストやタイソン・チャンドラーといった精鋭たちが脇を固めたチームは、56勝26敗という圧倒的な成績でディビジョン優勝を果たしました。

プレーオフでも快進撃を続け、カンファレンス準決勝まで進出。

 

 

当時最強を誇ったサンアントニオ・スパーズを第7戦まで追い詰める激闘を演じました。

この時期、ニューオーリンズは間違いなくNBAで最もエキサイティングな都市の一つでした。

「ペリカンズ」への改称とアンソニー・デイビスの登場

2011年にクリス・ポールがトレードで放出されると、チームは再建期に入ります。

2012年、オーナーシップがNFLセインツのオーナーでもあったトム・ベンソンへと移り、2013年にはチーム名を現在の「ペリカンズ」へと変更しました。

ペリカンはルイジアナ州の州鳥であり、より地元に根ざしたアイデンティティを確立するための決断でした。

この新生ペリカンズの顔となったのが、2012年のドラフト全体1位で指名されたアンソニー・デイビスです。

「AD」の愛称で親しまれた彼は、類まれな機動力と守備力を兼ね備えたビッグマンとして、瞬く間にリーグ最高の選手の一人へと成長しました。

2017-18シーズンには、ドリュー・ホリデーやデマーカス・カズンズと共に強力なラインナップを形成。

 

 

プレーオフ1回戦でポートランド・トレイルブレイザーズを4勝0敗のスウィープで破る快挙を成し遂げ、AD時代の絶頂を迎えました。

現在:ザイオン・ウィリアムソンと新たな挑戦

2019年、アンソニー・デイビスがロサンゼルス・レイカーズへ移籍したことで、チームは再び大きな岐路に立ちました。

しかし、同年のドラフトで「100年に一人の逸材」と称されたザイオン・ウィリアムソンを全体1位で獲得したことで、再建の歯車は一気に加速します。

 

 

ADとのトレードで加入したブランドン・イングラムがオールスター選手へと成長し、さらにベテランのCJ・マッカラムや、2024年に加入した守備の名手デジャンテ・マレーなど、非常に層の厚いロスターを擁しました。

しかし主要選手はチームを離れ、ザイオンウィリアムソンは怪我で欠場が続き、チームは低迷を続けています。

主な歴代所属選手(レジェンドと現エース)

クリス・ポール (Chris Paul)

「CP3」として知られる、球団史上最高のポイントガード。

抜群のリーダーシップでチームを強豪へと押し上げました。

 

 

 

アンソニー・デイビス (Anthony Davis)

攻守両面で圧倒的な支配力を見せた万能ビッグマン。

ペリカンズでの7シーズンで、球団記録の多くを塗り替えました。

 

 

 

ザイオン・ウィリアムソン (Zion Williamson)

現在のペリカンズの顔。

怪我に苦しむ時期もありましたが、コートに立てば手が付けられない破壊力を持つ、現代NBAの怪物的存在です。

 

 

 

デビッド・ウエスト (David West)

クリス・ポール時代の不動のパワーフォワード。

正確な中距離シュートを武器に、2度のオールスター選出を果たした功労者です。

 

 

ブランドン・イングラム (Brandon Ingram)

独特のリズムから得点を量産するスコアラー。

ADとのトレードで加入後、ニューオーリンズの地でエースとしての才能を開花させました。

 

 

 

ドリュー・ホリデー (Jrue Holiday)

リーグ屈指のディフェンス力を誇るガード。

人望も厚く、コミュニティへの貢献でも愛された「静かなるリーダー」でした。

 

 

最後に

ニューオーリンズ・ペリカンズの歴史は、ハリケーンという未曾有の困難を乗り越え、そのたびに力強く立ち上がってきた物語です。

スーパースターが去っても、必ず次の希望が舞い降りる―そんな不思議な魅力と生命力に溢れています。

現在はザイオンを中心に、これまで届かなかった「頂点」への距離を着実に縮めています。

ペリカンが大きく翼を広げ、リーグの頂へと羽ばたく日は刻一刻と近づいています。

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