NBAがこれほど豊かなルーキーシーズンを経験したのはいつ以来でしょうか。
コービー・ブライアント、マジック・ジョンソン、アレン・アイバーソン。
歴史を振り返れば、ある年のルーキークラスが後になって「あの年は特別だった」と語り継がれる瞬間があります。
2025-26シーズンのルーキークラスは、今まさにその伝説に名を刻もうとしています。
クーパー・フラッグ:マイケル・ジョーダン以来の選手
まず語らずにはいられないのが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたダラス・マーベリックスのクーパー・フラッグです。
フラッグは70試合に出場し、平均21.0得点、6.7リバウンド、4.5アシスト、1.2スティールという数字を残しました。
これが18歳の選手の数字である、という事実を改めて噛み締めてほしいと思います。
フラッグはROY受賞において史上2番目に若い選手となりました。
1位はレブロン・ジェームズただ一人です。
また、マイケル・ジョーダンと並び、スティールが記録され始めた1973-74シーズン以降、チームの得点・リバウンド・アシスト・スティールすべてをリードした唯一のルーキーとなっています。
フラッグはNBA史上最年少での50点ゲームも記録しています。
ジョーダンの名が並ぶたびに慎重になりたくなる気持ちはわかります。
しかしこれだけの事実が積み重なると、比較を拒む理由が見当たりません。
マーベリックス自体は苦しいシーズンを送りました。それでもフラッグは一番手として、場合によっては唯一の選択肢として毎夜コートに立ち続け、高いレベルで結果を出し続けました。
チームが勝てない環境で個人の数字を積み上げることへの批判もあります。
しかし真のスターとは、そういう状況でこそ輝くものではないでしょうか。
コン・カニップル:スリーポイントが変えたシャーロットの景色
フラッグの影に隠れがちですが、カニップルの軌跡も驚異的です。
カニップルは平均18.5得点、5.3リバウンド、3.4アシスト、3Pシュート成功率42.5%という成績を残し、ラリー・バードとポール・ピアースのみが達成していた「平均15得点・5リバウンド・3Pシュート40%以上」のルーキーに名を連ねました。
3ポイントの数字が目を引きます。
カニップルはリーグ最多となる273本の3ポイントシュートを沈め、シャーロット・ホーネッツを44勝に導きました。
前シーズンの19勝63敗から25勝増という記録です。
デューク大学時代のチームメイトであるフラッグとROY投票で競い合い、56対44という僅差での敗北でした。
これほど接戦のROY争いが、これほど友好的な形で終わったことも、この二人の人柄を物語っています。
VJ・エッジコム:アイバーソンの後継者として
フィラデルフィア・セブンティシクサーズのVJ・エッジコムも、全会一致の選出に値するシーズンを送りました。
エッジコムはレギュラーシーズン75試合で平均16.0得点、3Pシュート成功率43.8%を記録し、リバウンド5.6、アシスト4.2、スティール1.4という数字を残しました。
スティール100本・3ポイント成功100本以上を達成した唯一のルーキーで、2010-11シーズン以降で3人目の選手です。
1996-97シーズンのアレン・アイバーソン以来、シクサーズのルーキーとして1000得点・125本の3ポイント成功を達成した初の選手でもあります。
アイバーソンの名が出れば、フィラデルフィアのファンの心が動くのは当然です。
シーズン後半にチームが失速したことは惜しまれますが、エッジコムの未来は明るいです。
ディラン・ハーパー:数字を超えた存在感
今回のファーストチームで最も議論を呼んだ選出は、サンアントニオ・スパーズのディラン・ハーパーでしょう。
ハーパーは69試合で平均11.8得点、3.9アシスト、3.4リバウンドと、ファーストチームの他4選手と比べると数字は地味です。
しかしスタッツだけでは計れない魅力がハーパーにはあります。
ハーパーはデ・アーロン・フォックスとステフォン・キャッスルというバックコート陣が揃うスパーズで、先発出場はわずか4試合でした。
限られた出番の中で、ルーキー最高のアシスト・ターンオーバー比(2.76)を記録しています。
プレーオフでその実力が露わになりました。
プレーオフ12試合での平均は14.6得点、5.6リバウンド、2.5アシスト、1.7スティールです。
フォックスが負傷で欠場したウェスタン・カンファレンスファイナル第1戦では先発を任され、その舞台で輝きを見せました。
62勝という結果を出したスパーズの中で、静かに、しかし確実に存在感を示した一年でした。
セドリック・カワード:11番目の奇跡
このファーストチームで最大の驚きは、メンフィス・グリズリーズのセドリック・カワードです。
カワードは62試合(うち47試合で先発)に出場し、平均13.6得点、5.9リバウンド、2.8アシスト、フィールドゴール成功率47.1%という数字を残しました。
ドラフト11位という評価に疑問を持っていた人も多かったはずです。
大学時代に負った肩の怪我、プレシーズンでは0-7という厳しいシュートデビュー。
それでもカワードはルーキーの中でリーグ11位となるルーズボール回収数55本を記録し、ハッスルプレーの面でもリーグに存在感を示しました。
この選出により、カワードは過去7年間でオールルーキー受賞者を輩出し続けるグリズリーズ史上7人目の選手となりました。
同期間でリーグ最多という記録も持ちます。グリズリーズの育成力が改めて証明された形です。
最後に
この5人に共通するのは、それぞれのやり方でNBAに適応したという事実です。
フラッグは圧倒的な得点力で、カヌッペルは正確な3ポイントで、エジカムは攻守両面の数字で、ハーパーは知性と判断力で、カワードはタフネスと粘り強さで。
2025-26シーズンのルーキークラスは、数年後に振り返れば忘れられない一年として記憶されるでしょう。





















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