Bリーグ界において「司令塔」という概念を、その圧倒的なパスセンスと世界基準の体格で更新し続けている稀代のポイントガード、テーブス海選手。
188cmの長身から放たれる精密なパスと、NCAAディビジョンIで磨き上げられた高度なゲームメイクは、現代の日本バスケットボール界において唯一無二の輝きを放っています。
名門校から本場アメリカへの武者修行、そして国内トップチームでの共闘と、常に高い壁を乗り越えてきた彼の歩みは、次世代の日本人ガードが進むべき新たな道標となっています。
日本代表の心臓部としても期待を集めるテーブス選手の、挑戦に満ちたキャリアを詳述します。
全米を震撼させた「アシスト王」としての米国挑戦
テーブス海選手のキャリアを語る上で欠かせないのが、バスケットボールの本場・アメリカでの圧倒的な実績です。
カナダ人の父(元プロ選手・現指導者のBT・テーブス氏)を持ち、幼少期から英才教育を受けて育った彼は、高校から単身渡米を決意。
マサチューセッツ州の名門ノースフィールド・マウント・ハーモン・スクールで実力を磨き、NCAA1部のノースカロライナ大学ウィルミントン校(UNCW)へ進学を果たしました。
大学1年目の2018-19シーズン、彼は全米の度肝を抜くパフォーマンスを披露します。
1年生ながらスタメンの座を勝ち取ると、シーズン平均7.7アシストを記録。この数字は当時、後にNBAスターとなるジャ・モラント選手に次ぐ全米2位という驚異的な記録であり、所属カンファレンスのシーズン最多アシスト記録を塗り替える快挙でした。
コートの隅々までを見渡す「コートビジョン」と、ディフェンスの一瞬の隙を突くパス供給能力は、この時期に世界トップクラスの強度の中で完成されました。
宇都宮でのプロデビューと「新人王」の称号
2020年1月、さらなる高みを目指して大学を離れ、特別指定選手として宇都宮ブレックスへ加入。
日本でのプロキャリアをスタートさせます。
日本バスケ界の生ける伝説、田臥勇太選手を筆頭に層の厚いガード陣が揃う宇都宮において、彼はプロとしての規律や、勝負どころでのメンタリティを徹底的に吸収しました。
2020-21シーズンにはその才能が結実し、平均15.5分の出場時間ながらチームの勝利に大きく貢献。
卓越した技術と若手らしい勢いが評価され、Bリーグ新人王を受賞しました。
続く2021-22シーズンには、チームのリーグ制覇を経験。
優勝争いの緊迫感の中で司令塔を務めた経験は、彼を「勝たせられるポイントガード」へと昇華させました。
しかし、彼は自らの限界をさらに押し広げるため、あえて安定した環境を離れる決断を下します。
滋賀での「覚醒」と名門・アルバルク東京への移籍
2022-23シーズン、テーブス選手は出場機会とリーダーシップの獲得を求め、滋賀レイクス(当時レイクスターズ)へ電撃移籍しました。
滋賀ではチームのエースガードとして、それまでのパス優先のプレースタイルに加え、自ら得点を奪いに行くアグレッシブさを開花させます。
レバンガ北海道戦でキャリアハイの32得点をマークするなど、平均12.4得点とスコアリング能力の飛躍を見せ、リーグ全体にその脅威を知らしめました。
その後、2023年からは日本バスケ界のトップクラブ、アルバルク東京へ活躍の場を移します。
規律を重視する強豪チームにおいて、彼は副キャプテンを任されるなど、技術面だけでなく精神的支柱としても成長。
2025-26シーズン現在、彼は不動の司令塔としてチームを牽引しています。
特にアウトサイドシュートの精度は劇的に向上しており、スリーポイント成功率は40%を優に超えるなど、守る側にとっては「パスを警戒すれば外から射抜かれ、詰めればスピードで抜かれる」という極めて厄介な存在へと進化を遂げました。
日本代表「AKATSUKI JAPAN」での役割と国際舞台
テーブス選手の価値は、国内リーグに留まりません。
日本代表としても、アンダーカテゴリー時代から一貫して日の丸を背負ってきました。
フル代表においては、トム・ホーバスヘッドコーチが求める「速い展開」と「ガードの得点力」を体現できるピースとして、幾度となく重要な局面でコートに立っています。
2025年のFIBAアジアカップ予選などでも、彼の持つサイズは大きなアドバンテージとなりました。
世界の強豪と対峙する際、188cmの身長はマッチアップ相手にプレッシャーを与え、スイッチディフェンスにも柔軟に対応できる強みとなります。
現在の日本代表において、彼は経験豊富なベテランと勢いある若手を繋ぐ橋渡し役としても、そのキャプテンシーを発揮し続けています。
次なるステージへ:世界標準のガードが見据える未来
現在、27歳を迎えようとしているテーブス選手。
そのキャリアは今、まさに円熟期に差し掛かっています。
アメリカで培った合理的な判断力と、日本で磨いた献身的なプレースタイルが融合し、彼のゲームメイクには圧倒的な安定感が備わりました。
試合の展開を読み、いつ、誰に、どのようなパスを送ればチームが最も活きるのかを熟知しているその姿は、コート上のチェスプレイヤーとも例えられます。
アルバルク東京でのさらなるタイトル獲得、そして日本代表を世界のトップ10へと引き上げるための戦い。
テーブス海という男が描く放物線は、これからも多くのファンを魅了し、日本のバスケットボールをより高いステージへと導いていくことでしょう。
彼の挑戦は、常に「昨日の自分」を追い越すための情熱と共に続いていきます。
| 年齢 | 27歳 |
| 身長 | 188cm |
| 体重 | 83kg |
| 出身地 | 日本 兵庫県 |
















コメント