日本バスケットボール界の「黄金世代」を象徴する司令塔の一人、大倉颯太選手。
185cmというガードとしては恵まれた体格に、卓越したバスケットボールIQと華やかなプレースタイルを兼ね備えた彼は、学生時代から常に注目の的でした。
しかし、その輝かしいキャリアの裏側には、度重なる大怪我という過酷な試練との戦いがありました。
不屈の精神でコートに立ち続け、現在は名門アルバルク東京でさらなる進化を遂げている大倉選手の、波乱に満ちた歩みと不撓不屈のキャリアを振り返ります。
石川が生んだ神童と東海大学での黄金期
大倉選手のバスケットボールキャリアは、地元・石川県から鮮やかに幕を開けました。
布水中学校時代に全国優勝を経験すると、北陸学院高校では1年時から主力として活躍。
チームをインターハイベスト8やウインターカップ3位へと押し上げ、まさに「石川の神童」としてその名を全国に轟かせました。
圧倒的な得点能力と、試合の状況を瞬時に読み解く判断力は、高校生離れしたものがありました。
その後、大学バスケ界の名門・東海大学に進学した大倉選手は、1年時から関東大学リーグのスター軍団の中で先発の座を勝ち取ります。
河村勇輝選手らと共に強力なバックコートを形成し、インカレ優勝など数々のタイトルを獲得。
大学No.1ガードの呼び声高いまま、2019-20シーズンからは特別指定選手として千葉ジェッツに加入し、大学在学中からプロの舞台でも即戦力としてその非凡な才能を証明し始めました。
二度の重症と不屈のリハビリテーション
プロとしてのキャリアが本格的に始まろうとしていた矢先、大倉選手を大きな悲劇が襲います。
2021年2月、特別指定選手として出場していた試合中に左膝前十字靭帯断裂という重傷を負いました。
全治12ヶ月という診断を受け、誰もが長期離脱を覚悟しましたが、彼は驚異的な精神力と徹底したリハビリにより、わずか9ヶ月でコートに帰還。
その年のインカレで東海大学を準優勝に導く劇的な復活劇を見せました。
しかし、試練は一度では終わりませんでした。
正式にプロ契約を結んで迎えた2022-23シーズン、今度は右膝の前十字靭帯を断裂するという、アスリートにとって残酷すぎる現実を突きつけられます。
ガードとして最も重要とされる両膝にメスを入れることになりましたが、大倉選手は決して下を向くことはありませんでした。
「この経験も自分の強みに変える」と語り、再び過酷なリハビリを完遂。
2023-24シーズンには千葉ジェッツのローテーションの一角として復帰を果たし、天皇杯連覇などに貢献しました。
コートに戻るたびに、プレースタイルはより洗練され、怪我を言い訳にしない姿勢はチームメイトやファンに深い感銘を与えました。
名門・アルバルク東京への移籍と司令塔としての深化
2024-25シーズン、大倉選手はキャリアの第2章とも言える大きな決断を下しました。
プロ入りから過ごした千葉ジェッツを離れ、伝統あるアルバルク東京への完全移籍を発表したのです。
高い規律と堅実なディフェンスを信条とするアルバルクのシステムにおいて、大倉選手の高いバスケIQとサイズを活かしたガードとしての汎用性は、チームにとって不可欠なパズルのピースとなりました。
2026年現在のシーズンにおいても、彼はただの得点源としてだけでなく、試合のリズムを落ち着かせ、味方の良さを最大限に引き出す真の司令塔としての役割を全うしています。
自らクリエイトする能力に加え、ディフェンス面での貢献度も飛躍的に向上。
若手時代のような爆発的なスピードだけに頼るのではなく、緩急を自在に操り、ピックアンドロールから芸術的なパスを供給する姿は、まさにBリーグを代表するポイントガードの一人です。
逆境を糧にしたプレースタイルと未来への展望
大倉選手の最大の強みは、二度の大きな挫折を経て手に入れた「客観的な視点」です。
怪我でコートを外から眺める時間が長かった経験が、彼のゲームメイクをより深みのあるものへと変えました。
現在のプレースタイルは、冷静沈着でありながら、ここぞという場面で勝負を決めるシュートを沈める強心臓を併せ持っています。
また、185cmのサイズがあるため、ディフェンスでは相手のポイントガードにプレッシャーをかけ、リバウンドでも強さを発揮できるのが大きなアドバンテージです。
今後のキャリアにおいて、期待されるのは日本代表への定着と、アルバルク東京でのリーグ制覇です。
「怪我をした後の自分の方が、より良い選手になっている」という言葉通り、彼は常に自己をアップデートし続けています。
苦境を経験した者だけが持つ深みと、天性のバスケセンスが融合した現在の姿は、これからの日本バスケ界においてさらに大きな価値を持つはずです。
大倉颯太の挑戦は、さらなる高み、そして世界の舞台を見据えて続いていきます。
| 年齢 | 26歳 |
| 身長 | 185cm |
| 体重 | 83kg |
| 出身地 | 日本 石川県 |
















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